「麻婆豆腐」本場は花椒と豆板醤のシビ辛がうまい!

麻婆豆腐は中国四川省の代表的な料理で日本でも知名度の高い料理です。主な材料は豆腐、牛ひき肉、豆板醤、花椒。発祥は1862年に創業した「陳興盛飯舗」とされ、日本でも陳麻婆豆腐としてチェーン展開されています。気になる人は以下のリンク先から公式サイトをチェックしてみてください。

参考:陳麻婆豆腐【公式】麻婆豆腐発祥の店

天秤棒で油を担ぐ人夫等の肉体労働者が豆腐、牛肉、植物油を持ち込み陳劉さんに作ってもらっていた料理が「红烧豆腐(ホンシャオドウフ)」。お婆さんである陳劉さんの顔にあばた(麻子)があった事から麻婆豆腐と呼ばれるようになったそうです。文化大革命の時に「麻辣豆腐」とされた事もあったようですが今では麻婆豆腐で定着しています。陳麻婆豆腐店は1956年に国有企業になり、四川省成都市飲食公司に属するようになりました。

参考:麻婆豆腐

日本の麻婆豆腐

日本の麻婆豆腐は陳建民さんにより日本人向けにローカライズされていて刺激が強い花椒は使用せず、癖のある牛ひき肉を豚ひき肉に、入手が難しい葉ニンニクはネギに変更され辛さも抑えめで油分も抑えられています。ひき肉を甜面醤や味噌で炒めて甘さを強調している事も多い。しかし最近では中国料理ブームから四川麻婆豆腐などの名称などで花椒入りの本場に近い麻婆豆腐も増えています。花椒も一般的なスーパーの調味料コーナーで入手できるようになった。

Mapo tofu(アメリカ)

牛肉が好まれるアメリカでは日本とは異なり豚ひき肉ではなく牛ひき肉が多いようです。タマネギ、シイタケ、キクラゲが入るバリエーションもあるとされています。また大豆などの代替肉でのベジタリアン向けのレシピも多くありました。

中国の本格的な麻婆豆腐

日本の麻婆豆腐との大きな違いは花椒、牛ひき肉、葉ニンニクです。発祥の陳麻婆豆腐では牛ひき肉と葉ニンニク(蒜苗)を使用し豆板醤は郫県豆瓣、花椒はミルで挽いてトッピングと仕上げの花椒油に使用するとあります。他にも伝統的な麻婆豆腐は以下の8つの大事な要素(八字箴言)があるとされています。

麻(痺れる)、 辣(辛い)、燙(熱々な出来たて)、 香 (香ばしい香り)、酥(牛そぼろの食感) 、嫩(やわらかい食感)、 鲜(新鮮な豆腐と野菜)、 活(葉ニンニクのみずみずしさ)の8つ。また花椒だけでなく大豆を発酵した調味料「豆鼓」もコクを出すために刻んで使用される事が多い。

日本での入手がやや難しいのは新鮮な「葉ニンニク」です。しかし中国のレシピをチェックしていてもニラや万能ねぎを使用している麻婆豆腐も少なくはありません。香菜(パクチー・コリアンダー)を使用している麻婆豆腐もあります。

四川料理という事もあって四川の郫県豆瓣や四川の花椒、二荊条辣椒などの唐辛子にこだわる人は多いようです。日本向けに麻婆豆腐をローカライズした陳建民さんの息子の陳建一さんも麻婆豆腐に「郫県豆瓣」が欠かせないとコメントしています。熟成が進んだ郫県豆瓣はやや黒く、それだけでは綺麗な赤色が出ないので、熟成が浅い赤い豆板醤を組み合わせて調理されます。

日本での入手は難しいですが使用する豆腐は柔らかい軟豆腐に属する南豆腐が良いとされている記事が多かった。日本で出店している麻婆豆腐発祥のお店「陳麻婆豆腐」では富塚豆富店の絹ごしのように柔らかい木綿豆腐を使用していると紹介されています。 富塚豆腐店 (厚木市愛甲) 。新鮮な豆腐を使う事も良い麻婆豆腐の条件とされているので日本の豆腐で試行錯誤したいですね。

麻婆豆腐のメモ

  • 多めの油で花椒、ニンニク、生姜を炒めて香り出す
  • 刻んだ豆板醤と豆鼓を炒めて油に香りと色をうつす
    • 辛味が不足している場合は焦げないように粉唐辛子を足す
  • 牛ひき肉を炒めて醤油、砂糖で味付けする
    • ひき肉を強火で炒める場合は別鍋で調理する
  • 水と鶏ガラスープやうま味調味料を加えてスープを作る
  • 豆腐を煮て片栗粉でとろみをつける
  • 葉ニンニクを盛り付けて粉末状の花椒、花椒油やラー油をかける